
宮﨑 信弥
Shinya Miyazaki
シーアブ・メソッド代表
「あなたの体は、もっと自由になる。」
私は15年以上運動療法のインストラクターとして、多くの方の体と向き合い続けてきました。
セラピーを行うとその場で問題が改善される一方、翌月には元に戻ってしまう方がいることに疑問を抱き、「改善する方とそうでない方の違いはなんだろうか」「根本から問題を改善する鍵はどこにあるのだろうか」と考えるようになりました。
そんな中、なんと私自身が脳卒中になり、体を自由に動かせないという試練に直面することに。
左手左足に全く力が入らず、ベッドの横に座ろうとしても、左足で支えられずベッドからずり落ちてしまう状態。看護師さんからは「寝ていてください」と叱られ、「このまま車椅子になるのか?」という不安が頭をよぎりました。ですが、これは考えようによってはインストラクターとして体と向き合う最高のチャンスです。神様から、「自分の力で元通りになってみろ」という試験を受けているのだと、むしろワクワクしてくるようでした。
そこで、たとえ今は動かせなくても筋肉に意識を向け、少しでも体を動かし、筋肉が眠ってしまわないようできる限りの動きを行いました。その結果、日常生活だけでなく、大好きなゴルフを楽しめるまでになり、入院前と変わらない生活を送れるように。

これには医師もリハビリ担当の理学療法士も驚愕。「何をしたんですか?」と患者である私が質問攻めです。自分でどんどん体を治していく私に対して、担当する方からは「毎回テストを受けているみたいで、みんな宮﨑さんの担当は避けたがるんですよ!」なんて言われてしまいました。
病院関係者の方とお話をした上で、正直なところ、日本のリハビリではこのような「完全復活」は難しいと感じています。
というのも、たとえば歩けない方において、病院や理学療法士の目的は「転ばないで歩けるようにすること」であり、「元通り」にすることではありません。あくまで「補助を伴っても最低限の生活ができるようにすること」なので、自分の足では難しそうだと思えば杖や足の装具を使ってアレンジしようと考えます。

ですが、私たちが目指したいゴールは「不調が出る前の状態に戻し、元の活動を楽しめるようにすること」です。
日常生活はもちろんのこと、運動やダンス、音楽など、好きなことを最高の体の状態で思いっきり楽しめるようにするということです。
とはいえ、私は病院のリハビリを否定したいわけではありません。
病院にはとても多くの患者さんが来ますから、最低限生活ができる、となった時点で送り出していかなければなりません。
患者さんそれぞれのQOL(元通りに水泳がしたいとか、山登りがしたいとか)まで考えていたら、次々にやってくる患者さんの治療ができないからです。
ということは、「最低限」でどうにか暮らしている方が、大勢いるということになります。
この事実を知ってしまっては、立ち上がらずにはいられません。
脳卒中を通じて気づいたのは、「脳から意識して筋肉を動かさなければ、体を根本的に変えることはできない」ということです。形だけでなく、意識を向けることが大切なのです。そしてこのことをより多くの方に伝えたいと考えるようになりました。
多くの痛みに苦しむ方、最高のパフォーマンスができず悔しい思いをしている方を見てきて、若くても、高齢でも、体が動かなくなっていても、全ての方に「自由な体」を手に入れてほしいと強く思います。その思いで、誰でもできる効果的な運動、意識の向け方を問題に応じて組み立てました。しっかり学べば誰でも「自分で自分の体を治し、管理できる」ようになります。
そしてさらに、この方法は今現在の痛みを取るだけではなく「どうしてこうなったのか」という原因を突き止め、そこにアプローチします。ただ元に戻すのではなく、「その後の人生もずっと痛みを作らないようにする」のです。もし問題が起こったとしても「自分の体に何が起きているのか」が理解でき、その根本原因にアプローチして自分で体を治し、管理できるようになるので、再発やまだ見ぬ不調を恐れることもなくなります。
あなたが諦めなければ、あなたの体は必ず元に戻ります。この方法を実践して、これまでとは比べものにならないくらい早く、車椅子の方がスタスタ歩ける様になったり、体が動かないことで心を病んでしまった方が見違える様に元気になったり、多くの方が笑顔になるのを目の当たりにしてきました。
現在問題がない方も、むやみにトレーニングをしたり、美しい形だけを追い求めたり、それは趣味としては素晴らしいですが、体のことをよく理解していないと一部分に無理がかかったりバランスが悪くなって、いつか痛みや問題が生じます。筋肉をつけることはもちろん大切ですが、体の仕組みを理解し、自分の体を管理できるようになることは、ぜひその前にやっていただきたいことです。

それぞれが「自分のインストラクター」となり、何か問題がでても誰かに頼らず自分で解決できるのは素晴らしいことだと思いませんか?
私達インストラクターが不要になることは、インストラクター冥利につきます。
体との対話・脳の再教育を積み重ねていけば、あなたの体は、もっと自由になる。
「治らない」という考えは捨ててしまいましょう。
「あなたの脳には、希望しかない。」
SHEAB method誕生に込められた
もうひとつの想い
〜ジュニアや学生、アスリートの方を助けるために〜
SHEAB methodは、痛みのあるシニア世代の方に多く活用いただいているので、
「シニア向けの体操ですか?」と聞かれることがあります。
でも実は、このメソッドがかたちになっていく途中で、
私自身、忘れられない出会いがありました。
それは、夢に向かってひたむきにがんばる、
子どもたちや若いアスリートたちです。
彼らの身体と、真剣に向き合ったそのとき、
私ははっきりと確信したのです。
「このメソッドは、年齢なんて関係ない。必要としている人すべてに届けたい」と。
CASE 1
小学生のダンス少女の足の痛み
ある日、スタッフからこんな相談を受けました。
「信弥さん、小学生の娘が足を引きずって歩いていて……
病院では“骨折ではないので、関節炎かもしれない”と言われたんですが、
確定診断は出ず、治らなければリウマチの検査も必要だと言われました。」
「若年性関節リウマチ」――今で言う「若年性特発性関節炎」。
そんな名前を出されたら、親御さんの心配はどれほどだったかと想像します。
娘さん本人は、小さな頃からダンスが大好きで、
「早くレッスンに戻りたい」と涙をこらえていたそうです。
「じゃあ、一度身体を見てみよう」そう言って、私のところに来てもらいました。
彼女の足首はサポーターで固定され、明らかに痛そうな歩き方。
バランスチェックをしてから、簡単な体操を始めました。
すると突然、足が痙攣のように揺れ出したのです。
本人は痛みもないのでその状況を笑っていましたが、
3セット目まで足の揺れは続きました。
彼女の場合、体幹で上手に身体を支えられない状態をかかとの靭帯が代償し、
その結果痛みや違和感が出ていたのです。
日々のレッスンやトレーニングをがんばっていても、
体を支える体幹と体の連動が機能していませんでした。
その日に行ったのは、たった3つの体操だけ。
でも帰りには「痛くない!」と嬉しそうに笑い、
つけてきたサポーターを忘れて、軽やかに帰っていきました。
あのときの彼女の笑顔は、今でも私の原動力です。

CASE 2
プロを目指すバレエ留学生の膝のケガ
もう1人は、20歳のバレエダンサー。
海外留学中に前十字靭帯を断裂してしまい、
手術のために帰国していました。
実はその少し前、帰国していた際に彼女に会っていたのですが、
「ちょっと体のバランスが変わったな」 と感じていたのです。
彼女は、プロになるために厳しいトレーニングを積んできた方。
もちろん、体幹の力もあります。でも、そのバランスが崩れていました。
プロを目指すほどの方が怪我をするというのは、
体だけでなく精神的にも辛いものです。
はじめは表情にも迷いや不安が見えていました。
でも、いくつか体操を行っていくうちに、
心も体もみるみる回復し、笑顔を取り戻していったのです。
今では、再び留学先に戻るために、前向きにトレーニングに励んでいます。

「ただ鍛えるのではなく、“動きやすい身体”に整える」
「ただ治すのではなく、“本来のバランス”に戻す」
それがどれほど大切で、どれだけ多くの人を救えるか。
ジュニアも、シニアも、プロも関係ない。
身体を動かすすべての人に、SHEAB methodは必要だ。
そう、強く思ったのです。
「がんばっているのに、うまくいかない」そんな方にこそ
SHEAB methodを届けたい
「どれだけやっても成績が伸びない。」
「怪我や病気で思うように体が動かない。元の場所に戻れるのかな…」
がんばっているのに、うまくいかない。
がんばっているからこそ、心が折れそうになる。
でも、自分の身体にまっすぐ向き合い、
“自分の力で変われた”という体験は、一生の自信になります。
そして、その方の未来を支える“土台”になります。
SHEAB methodは、ただの体操ではありません。
ひとりひとりの“本来のチカラ”を、やさしく呼び覚ますものです。
• スポーツやダンス、バレエに取り組むジュニアや学生、アスリートの方
• ケガのリハビリ中、または再発予防をしたい方
• 子どもや選手を支える親御さん、先生、指導者、治療家の方々 など…
プロを目指す方はもちろん、親として、先生として、指導者として。
あなたが関わるその子の未来のために――
ぜひ一度、SHEAB methodに触れてみてください。

宮﨑信弥 SHINYA MIYAZAKI
●SHEAB method(シーアブメソッド)代表
●聖徳大学オープンアカデミー講師
●ACC 代表取締役
そんな中、自身が脳卒中になり、体を自由に動かせないという試練に直面。
その経験から「脳から意識して筋肉を動かさなければ、体を根本的に変えることはできない」ということに気づき、これまでの経験と学びから「SHEAB method(シーアブ・メソッド)」を誕生させる。
現在は、皆さんに「不調が出る前の状態に戻し、元の活動を楽しんでほしい」「好きなことを最高の体の状態で思いっきり楽しんでほしい」という想いから、多くの方のセッションにあたっている。